FC2ブログ

妄想挿話製作所(旧)


休止した荒野(主に5)の妄想挿話の保管庫です。念のため「はじめに」に目を通しておいてくださいね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

そして、もう一度空へ

ED後の捏造・ネタバレ大量発生中。
1(F)・2・3・4・5のうち、どれか一つでも未クリアの場合は退避を推奨します。










届いていますか――



「どうした、ロディ? 何か声が聞こえた気がする、だって? 姫さんの突発性妄想症候群でもうつったか?」
「まあ、失礼な。確かに私はちょっと考え事してることが多いですけど、そんな病気みたいなものは持ってませんッ! ねえ、ロディ」
「んなこと言ったって、俺には姫さんがヤキソバ(特盛ソースだく)をたいらげてるのくらいしか聞こえなかったぜ」
「オイラにも何も聞こえなかったけど、セシリアと守護獣の会話もオイラたちには聞こえないことがあるからね。ロディはロディにしか聞こえない声を拾ったのかもしれないよ」
「ばか、“やっぱり違うから”とか今更言うな。お前だって守護獣に――ゼファーに認められた、ファルガイアの命だろうが」
「そうですよ、ロディ。あなたは強さも弱さも私たちと同じ、ファルガイアの“仲間”ですッ」
「ごめんね、オイラが変なこと言っちゃって。気にしてない? ならいいんだけどさ」
「まったく、知性のないカゼネズミなんぞ、ただの足の短い動物だよなッ」
「何だとうッ、動物と亜精霊の区別にも無頓着なザックに言われたくないねッ!」
「もう、ヤキソバ分けてあげますから、喧嘩しないでくださいッ。ロディも困ってるじゃありませんか」
「そうか? どっちかってーと楽しそうだぜ。なあ、ロディ?」





「どうしたの、アシュレー? 上に何かあった?」
「いや、誰かの声が……聞こえた気がしたんだけど」
「まさかロードブレイザーではあるまいな?」
「いや、それは全然違うッ。懐かしいような、耳慣れないような……でも、絶対に破壊や絶望の色はなかったよッ」
「空耳にしては、随分はっきりと言い切るな」
「守護獣の意思でしょうか。バスカーでも一部の人にしか聞こえませんけど、アシュレーさんならありえるかもしれません」
「はは、僕に出来るなら誰もが聞こえておかしくないはずだよ」
「修羅場をくぐった者は感覚が研ぎ澄まされる。お前が多少常人の域を超えた五感を持っていたとしてもおかしくないだろう」
「そうかな。パン焼きの修行に役立つといいんだけど」
「アシュレー、ヤキソバパンの練習が始まったら教えてね。いくらでも試食してあげるからッ」
「わかった。ありがとう、リルカ」
「では、そろそろお別れじゃの」
「マリナさんに、お弁当のお礼言っておいてください」
「ん、みんな道中気をつけて」
「お前に心配されるほどヤワなアタシではない」
「では、またな」
「ああ、また1年後に――ここで、“会おう”ッ」





「え……?」
「ぼぅっとしてんな、リーダーッ! とっととこっちに隠れろッ!」
「あ、ゴメンッ。誰かの声が聞こえて……」
「大方あの賞金稼ぎたちの呼び声だろ」
「しっかしあいつらもだが、賞金稼ぎども全然飽きねえなッ。払っても払ってもキリがありゃしねえッ」
「また賞金が上がっていましたからねえ。向こうにも意地があるんでしょう。僕らがやったことは、彼らが今まで信じていたものを、否定したのに等しいですし」
「教祖殺しじゃすまないって訳か。うんざりだぜ……」
「それでも、私たちは主張し続けなきゃ。私たちが思う“正義”を貫いただけだ、って」
「お前の“正義”だろ」
「今更混ぜっ返しなさんな、少年。リーダーについていく限り、俺たちも似たようなもんだぜッ?」
「そうよ、ジェットだって“付き合うよ”って言ってくれたじゃないッ」
「議論は後です。今はどうにかして、あの賞金稼ぎさん方を振り切りますよ」
「だな。行くぞ、リーダー……どうした? 考え込んで」
「あの声、やっぱり賞金稼ぎのものじゃない。守護獣のに似た感じがしたのッ。もしかしたら、また何かあったのかもしれないッ!」
「お前な、今それを言う必要があるのか?」
「あるわよッ、できるだけ賞金稼ぎを振り切りながら、バスカーコロニーに向かうのッ。ここからなら近いわよね?」
「なるほど、彼らにならすぐに匿ってもらえますね」
「ああ……またババァの顔見に行かなきゃなんねえのか……ま、しゃーない。リーダーに従うぜ」
「ありがと。じゃあみんな、行くよッ!」





「ねえッ、今何か聞こえなかったッ?!」
「話しかけんなッ、まだこいつを押さえるので手一杯なんだよッ! なんせ10年も経っちまってるからなッ」
「気のせいじゃないの、ジュードお兄ちゃんッ」
「うーん……」
「ジュード、何か気になるのッ?」
「ううん、もういいやッ。それより、よく機体がもってたよねッ」
「本当にッ。まさかまたこの飛行機械に乗ることがあるなんて、思ってもみませんでしたッ」
「パパとわたしで、ずーっと整備してたんだッ。ジュードお兄ちゃんとユウリィお姉ちゃんに会えたら、ママみたいに一緒に乗るためにッ!」
「そう言われちゃ聞くしかないだろッ? 幸い頑丈さだけは随一だからな、お子ちゃまが多少図体でかくなったくらいなら、耐え切れるだろうと踏んだのさッ」
「アルノー、僕はもうとっくに成人してるんだよッ! まだ子ども扱いなのッ?」
「ハッ、初めに会った印象がそうそう抜けるかよッ。10年経ったって、俺にはお子ちゃまはお子ちゃまだよッ」
「えーッ、なんだよそれッ。ずるいよアルノーッ!」
「もうッ、二人とも10年ぶりなんですよッ? まるで変わってないじゃないですかッ」
「じゃあこんな会話を、ママもずっと聞いてたのッ?」
「ええ、呆れながらおかしそうな顔をしていてッ。後ろで何度も顔を見合わせて苦笑しましたよッ」
『知らなかったよ、そんなことッ!』
「あははははははッ、パパもジュードお兄ちゃんも、本当に子どもだったんだねッ」





「どうしたの、ディーン。ぼうっとして」
「ああ、ゴメン。誰かの声が聞こえたんだ」
「大方観客の声だろう。数年ぶりにサーカスが復活したっていうので、随分集まっているからな」
「はい、人間もベルーニ族も、皆さん楽しみにしてましたからッ」
「レベッカのがんばりのおかげですね。あなたが始めなければ、サーカスの復活はもっとおそくなっていたでしょう」
「あ、あはは。それほどじゃないわよ。たくさん協力してもらったし」
「でも、レベッカすげー頑張ってたジャンッ! ペルセフォネやデュオを味方に付けて、昔のサーカスのメンバーと交渉してさッ」
「そうそう、ゴーレムハンターからもスカウトされて転向したメンバーがいるしねッ。おかげでギルドはちょっと人手不足だったりするけどさッ」
「……チャックさん、ちょっとこっちに来てください」
「はーい。僕また何かまずいこと言ったかい?」
「ま、まあ、チャックの言うことは気にするな。今はただ、自分のやるべきことに集中していればいい」
「うん、わかってるけど……アタシ緊張しいだから、実はちょっとアガってきちゃってて……」
「大丈夫だってッ! レベッカなら絶対にやれるッ!」
「そうですよ。わたくしはレベッカの曲撃ちを見るのが初めてですから、たのしみにしてきたんです」
「……そっか。全然見せる機会なかったもんね」
「はい。日記やミッシーズミアの子どもたちのおかげで、はなしには事欠きませんでしたが、やはり百聞は一見にしかずといいますから」
「はいはいッ、僕もまだ見たことないよッ!」
「わたしも初めてですぅッ!」
「ほら、みんなレベッカの曲撃ち楽しみにしてるんジャンッ! 絶対うまくいくってッ!」
「そうかもね。ありがとう、ディーン。ありがとう、みんなッ」
「あ、そろそろ時間のようですよ」
「じゃあ、俺たちは客席にいるからな」
「頑張ってください、レベッカさんッ!」
「君の活躍を楽しみにしているよッ」
「レベッカ、思い切り見せ付けてきてやれッ!」
「うんッ! 行ってくるッ!」







届いていますか――
西風の運ぶ想いが、
ファルガイア中に響き渡る、軽やかなざわめきが。

いつかどこかで、
あなたが巡り会ったお話は、
『未来』へと今も続いています。

それは、何度でも羽ばたく渡り鳥のように、
いつまでも終わらない、物語。



»[そして、もう一度空へ]の続きを読む

スポンサーサイト

Top|Next »

HOME

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。